「自炊代行『想像』論が辛い」と書いてから、調べただけじゃなく本気で自炊代行利用とPDF読書をやって一度は実感しておきたいと思って、BOOKSCANのプレミアム会員に登録しました。以下、それから3ヶ月のメモ。
■業者選択と契約
BOOKSCANを選択し、プレミアム会員にも登録。
最初の業者選択の観点はたださんと一緒。裁断済みの原本は確実に廃棄されてほしくて、返却されるべきだとは思わないし、個人的な考えとして、「書籍電子化と裁断済み書籍販売を代行します」という業者は論外だと思います。そこで最初のフィルタをかけると、プレミアム会員サービスも含めればBOOKSCANはとりあえずクリア。
その上で、業者に「データ変換」をしてもらう、それも不可逆変換を期待するからには、品質と信頼性は気になります。この点ではどうしても口コミの影響が強くて、知人が少なくとも3人がBOOKSCANで満足していると言うのが、最初のフィルタをクリアした業者からBOOKSCANを選んだ理由になります。
■登録する
■ダンボールを取り寄せる
本を送るのに使うダンボールは、自分で用意してもよいのですが、プレミアム会員になるとBOOKSCANから送ってもらうこともできます。無料。
ダンボールは数日で届きました。初回は技術書、ハードカバー50冊を送りましたが、一箱に収まりました。
■箱詰めする
- 本を50冊分、選ぶ。料金案内にある通り「350ページを越えるものは、200ページ追加ごとに一冊分」と数えることに注意。
- ダンボールにつめて、丸めた新聞紙などで隙間を埋めて、ガムテープで封。
プレミアム会員になるということは「部屋がすっきりするまで毎月50冊ずつ送り続ける」ということ。早めに電子化したいというものを思いつかなかったら、あまり考えないで一週間(プレミアム会員のスキャン依頼の対応期間)以内に読まなそうな本を片端から送りましょう。
ページ数が一冊分カウントになるか微妙なものは、適当に。50冊を超過しても「翌月で調整してください」となるだけで、ちゃんと受け付けてもらえました。
■クロネコメンバーズに入っておく
発送で楽をするには、サービスが充実しているヤマト運輸をお勧め。
- ヤマト運輸のクロネコメンバーズに登録。
- クロネコメンバーズページから「宅急便送り状印字サービス>お届け先アドレス帳」に進んで、BOOKSCANプレミアム会員ページに表示される「専用の発送先」を登録。
■自宅に集荷に来てもらう
一回目の発送では、集荷依頼をしました。
- クロネコメンバーズページから集荷を依頼。
- 途中で「集荷の時に印字済みの送り状がほしい」を指定すると、印字された送り状を持参してくれます。
指定した時間に、ヤマト運輸が自宅に印字済み送り状持参で集荷に来てくれるので、ダンボールをそのまま渡してその場で現金支払いするだけ。持込が面倒な人も、送り状の手書きが億劫な人も、問題ありません。
■宅配ロッカーから集荷してもらう
二回目、三回目の発送では、宅配ロッカーからの集荷を依頼しました。こちらは送り状必須なので、これは取り寄せておくことにします。
- クロネコメンバーズページから、「宅急便送り状印字サービス」を依頼。2、3日で印字済みの送り状が届きます。
- ダンボールに送り状を貼って、宅配ロッカーに入れます。ロッカー番号を控えておきます。
- クロネコメンバーズページから「宅配ロッカー発送」依頼を登録。この時、ロッカー番号を入力します。
宅配ロッカー発送だと、「箱詰め→集荷依頼」+「発送(集荷待ち)」の二回、作業タイミングがあったのが、「箱詰め→ロッカーに入れる→集荷依頼」の一連の作業で済むようになります。「nクリックを1クリックにする」の実生活版。夜中など集荷時間外でも一連の作業を済ませられるのも楽なところ。
■Amazonからの直送
Amazonからの直送も行いました。
- Amazonで本を購入します。
- 送り先にBOOKSCANプレミアム会員ページに表示される「専用の発送先」を指定します。
Amazonからの購入と、「出品者から」の購入をしてみましたが、どちらも問題ありませんでした。
■オートチューニング設定
オートチューニング設定をしておくと、3冊までの納品の時に、同時に(1)端末に合わせたチューニングをして、(2)DropboxやKindleにアップロードしてくれます。
- bookscan.co.jpのマイページにログイン。
- 「チューニングラボ」ページに移動。
- 「オートチューニング設定」タブでチューニング種別とアップロードの設定。
ダンボールで送りつけている分には「3冊までの納品」ということがないのですが、Amazon直送などで1~3冊だけ買った時、3冊以下で分納された時に、最速で手元の読書端末に届きます。
■電子化してもらってどうだったか
スキャン品質、OCR精度とも問題は感じませんでした。話題になった「サインや落書きが残るか」話では、「VMware徹底入門」にもらった同社の中村さん、各務さん、服部さんのサインがちゃんと残ってます(次ページには裏写りまでしっかりスキャンされています)。
PDF読書自体は好き嫌いが出ると思いますが、私は問題ありませんでした。思った以上にありがたかったのは、OCRの効果。
- 検索ができる。
- 範囲選択→コピー→ペーストができる。
一点目は予想通り、期待通りなのですが、二点目は予想してなかった利便性。OCR結果を「透明テキストを被せ」てくれるということは、検索できるだけじゃなくテキストのコピーができるんですね。私の場合だとTumblrへの抜書きぐらいの用途ですが、正確な引用がライフラインな論文や記事を書く人は二冊買って一冊を電子化で潰すぐらいのことをしてもいいんじゃないかと思いました。
■オフトピと感想
PDF化自体は省スペース性、保存性、OCRによる検索性、利便性を合わせて、誰にでもお勧めできると思います。部屋の風景作りとして残しておきたい本以外は、全部PDF化したいです。
PDF読書については好き嫌いが分かれるでしょう。会社の人にこの話をして実際にiPhoneで読んでいるものを見せたら、新書スキャンでも「これは俺には無理」という人が続出でした。ですが、Excelと文字だらけのスライドと2面割付印刷が大好きな社内文書よりいくらか大きい文字サイズです。ここには「読めない」ではなく「このサイズの文字を画面で読みたくない」という気持ちがはっきり感じられて、電子出版はこの先「読みたくないの壁」が大きいんじゃないかと思いました。
話を戻して、自炊代行というサービスは(少なくともBookscanというサービスは)、非常にコストパフォーマンスがよく、便利です。ヤマト運輸との組み合わせでは、本当にほぼ「選んで箱詰め」の手間だけ。
自炊という行為が必要である間は、こうしたサービスも必ずあってほしいと思いました。それを認めない、自炊代行に禁止を訴えるという出版社や著者の主張は法的に商業的に分かるのだけど、やはり狭量というかせめて「ただし全作品を電子化します、すぐとは言わないまでも○年以内に必ず」ぐらいの度量を見せてほしいな。それがなければ、読者を蚊帳の外に業者との間だけの問題化していると思えてしまう。
いまは平台に並んだ東野圭吾とか石持浅海とか荻原浩とかかわぐちかいじとか…に手が伸びそうになるたびにぐっと抑えるのですが、わりあい早くにCCCDになったCHAGE and ASKAに伸びる手をぐっと抑えているうちにまったく聞かなくなった前歴持ちです。そうならせないでください、ぜひ。僕はあなた達を忘れたいわけではないのです。

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