先月、ガートナーが最新のハイプカーブを掲載したプレスリリースを出した。多くの人が取り上げているし、私もTumblrにポストしたし、第1回アトラシアンユーザ会(つまりConfuluenceとJIRAのユーザ会)でもISIDの杉浦氏が取り上げていた。すでにご覧になっている方は多いと思う。
このハイプカーブで、Wikiについて少なくとも3つの指摘がされている。
- Wikiは過度な期待の「ピーク期」とそれがはじけた「幻滅期」を越えて、地に足の着いた活用へと進む啓蒙活動期に入った。(図1のカーブ上の位置より)
- Wikiの主流での採用までには、2~5年かかる。(図1のWikiを示すポイントの色より)
- 主流での採用≒生産性の安定期に達するには、Wikiは「メソドロジ(方法論)とベストプラクティスの発展」と「第3世代製品、即時展開可能な製品スィート(の提供)」へ向かわなければならない(図2より)
もちろん方法論というのは浅いハウツーではなく、経営思想とWiki思想の寄り添うところを実務に落とし込んだ方法論で、江渡さんの上梓された「パターン、Wiki、XP」はWiki思想を紐解くという意味で大きい。また洋書でアトラシアンの社員であったStewart Mader氏による「WikiPatterns」が出ているが、こちらは現時点でのベストプラクティス集である。実際に、Wikiの世界はこの「メソドロジとベストプラクティスの発展」へ、すでに動き始めていたことが感じられる。
「第3世代製品、即時展開可能な製品スィート」では、第二世代製品群の淘汰を生き残ったConfluenceやSocialtextに加え、マイクロソフトのSharePoint ServerやIBMのLotus ConnectionsがWiki機能を統合してきている。ハイプカーブから「滑り落ちる」テクノロジはいくつもあるが、啓蒙活動期の初めにあるWikiは、啓蒙活動期の終わりに達するべきマイルストンに向けて進むべき道を歩んでいる。
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WikiPatternsはStewart Mader氏がWikiPatterns.comというサイトで収集、整理したパターンを元とするもので、先日来このブログなどでも触れているように同サイト上で各パターンの日本語訳が進められている。私も(このブログでの報告がぜんぜん追いついていないが)90-9-1の法則、 IDの重要性、WikiZenマスター、 Wikiの小人、チャンピオン、ページメンテナー、メンテナー、上棟式、口コミ、大使、 後援者(またはスポンサー)、良いことへの謝意、観客、貢献者、Wikiのトロルとこれまで15パターンを訳した。
私事を言うと、昨年までいたCrossbaチームから一時的にVMwareなどの仮想化チームに移り、そちらの活動に専念していたのだが、どうもこの一時的に(と言われた)というのは、半年や一年では済まなそうな感じになってきた。それが分ってきたこの2009Q3からは、また昔のように17時までは仮想化技術者(昔だったらERP技術者)、17時からはWikiとWebの個人活動家という二重生活に戻りたいと思う。
なんと言っても、Wikiの「ハウツーではなくメソドロジ」がずっと気になっていたところであり、Wiki界隈全体がそこに取り組む時期にいるのだから、2、3年は待てない。

[this is good] In it something is. Thanks for an explanation. All ingenious is simple.
投稿情報: Adolph Batiste | 2010/05/16 23:29